遠州灘海岸侵食対策検討委員会

遠州灘の浸食を防げ 御前崎まで対象範囲拡大


 天竜川河口以西の中田島海岸(浜松市)で緊急的な浸食対策に取り組んできた県や国の専門家らによる遠州灘海岸侵食対策検討委員会(委員長・宇多高明財団法人土木研究センター理事)は二〇〇七年度から、検討対象範囲を同河口以東の竜洋海岸(磐田市)から御前崎海岸までを含む県内の遠州灘海岸全域約七十キロとし、新たに効果的な対策を講じる。 (飯田時生)

 〇七年度は当面、それぞれの海岸線の変化の把握や、各地域の事情も踏まえた浸食の要因、砂の流れの分析などをした上、緊急度などに応じ、どこの海岸から具体的な対策に乗り出すのか優先順位などについて協議する。

 県土木部の調査によると、天竜川以東の遠州灘海岸でも全体に浸食が進行。戦後間もないころと比べ、竜洋海岸や浜岡海岸、御前崎海岸などでは約六十年間に百メートル以上も海岸線が後退したと推測されている。

 竜洋海岸などでは、季節によっては砂浜が姿を消して波が直接防潮堤にぶつかる光景も。浜岡砂丘も中田島砂丘と同様、じわじわとやせ細る状況が続いている。

 同委員会は、中田島砂丘から埋め立てごみが流出した問題をきっかけに〇三年度に県が設置。外部の砂を投入する養浜を取り入れたほか、離岸堤三基の造成も決めるなど当面の対策は講じたことから、遠州灘海岸全域のバランスも考慮して検討範囲を広げた。

 遠州灘海岸は、南アルプスの峡谷を削るなどした土砂が長年にわたり天竜川から吐き出されて砂浜を形成。一九五六年にできた佐久間ダムなどで砂がせき止められ、海岸への供給量が激減したのが浸食の最大の要因とされる。

 国は、天竜川の佐久間ダムに土砂がたまらずに下流に出る仕組みにする天竜川ダム再編事業を計画している。

 宇多委員長は「天竜川の砂流が復活しない限り、本質的な解決にはならない。だが、遠州灘海岸の浸食は尻に火が付いた状況なので、できる手は打たなくてはならない」と話している。
2007.3.8 中日新聞


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この記事へのコメント
先日、同笠海岸に寄ったところ、砂浜がほとんどない状態でした。
Posted by ウッチー at 2007年03月28日 12:10
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